母の夢を見た。
夢の中の母は、少し若い70代くらいだった。
何処かからの帰り道、2人で肩を並べて歩いていたはずなのに、気づくと母が隣にいない。くるりと後ろを振り向くと、母は5mほど後ろをとぼとぼ歩いている。
「歩くの、早い?」
と聞くと、
「うん」
とうなずいた。
私は母が追いつくのを待って、今度は歩調を合わせて歩く。
父が老人ホームに入ろうかどうしようか考えていることを話すと、
「そんなにがんばらなくていいのに…」
と小さな声で母は言った。
「がんばらなくていい」という言葉が、私には「生きることをがんばらなくていい」と言っているようにも感じた。
四十九日を前に夢の中に現れた母。
いよいよ、ってこと?
今日も少し練習した。
結局、母にはピアノを聴かせてあげられなかったなあ、なんて思いながら。
うちは裕福ではなかったので、私たち子供にピアノを習わせるのは大変だったと思う。
しかも3人姉妹、同じように習い事をさせてくれた。
ありがとう。
お陰で生涯の趣味にすることができたよ。
《今日のひとコマ》